どうも、ノリオです


全国的に不要不急の外出の自粛を、の流れ。至極当然。
日増しにコロナウイルスの感染が拡大しているのだから。

3密という言葉がニュースなどで取り沙汰され、地元岡山県でも11人の感染が確認されるなか、
日常でどう行動するか考えなければいけない状況に直面している。
もっと早くから危機感をもっていればよかったのだろうけど、地方片田舎岡山に住む身としてはその辺りに欠いていたと思う。

3密とは『密閉』『密集』『密接』だという。

4月に入りいよいよ花崗岩シーズンも終わりの気配。気温も上がり雨の日も増えてきた。
「嗚呼、シーズンが終わった・・・」と落胆しながら天気予報を見ると日曜日の気温が低い。
これがラストチャンスかもしれない!とモチベーション低下していた自分を奮いたたせ、
スケさんと岩場に繰り出す約束をとりつけた。

さて、ここで岩場での3密について考える。
岩場、しかも人気のないシークレットエリアでの『密閉』『密集』『密接』はどうか。

まず『密閉』は当てはまらない。『密集』も極々少数での岩登りなので当てはまらないのではないか。
ただ一つ『密接』に関しては、社会的距離(1.8m?)を保とうと思えば可能だが、
恐らく気にしていても無意識に距離を詰めてしまうだろう。
なにしろ各々目の前のラインに集中し夢中になってしまうから。
もちろん、岩場でのうがいや手洗いも出来ないことはないが難しいように思われる。 

もう信じるしかない。メンバーがウイルス保有者でないことを。
そして自分がウイルスを保有していないことを。

SNSを見ていると岩場の画像多く見かけ、どうやら自分を含めクライマーは危機感に欠けるようだ。
すべてのクライマーがといった訳ではありませんよ。一部の、という意味で。

結局、欲望を優先させてしまったというお話。



さて、この日はスケさんとの岩登りということで、互いに目当てはアレしかないので、
向かった先はMt.HGS。

そう、あの美しすぎるスラブのP。
先週は雨の影響で断念したということもあり、俄然燃えてます。 


本当に天気がいい。
青空と桜。いつもと変わらない春って感じですが、今年はね・・・


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このお天気なのに気温は上がらないって話。
だけど、やっぱり暖かいよね。暖かいよ、やっぱり。


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空がとても綺麗です。


前回も書いたように、ここは一歩踏み込むと下界より冷んやりとした空気。

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お目当ての岩に到着してみれば涼しく岩も乾いてる。


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そうそう。今回はsuepeeが初参戦。
以前少し触ったらしいのだけどスタートもままならなかったようで・・・


よーし、今日こそは! やってやるぜー!



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だー!? なんと序盤からスケさんが最高高度を叩き出し場が湧く。
僕やsuepeeもそのムーブを採用し波状攻撃開始。

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はじめは下部の感覚を掴めず苦戦していたsuepeeも徐々に高度を上げて追い上げてくる。
いまのところスケさんが頭一つも二つも抜きん出ている感じ。


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僕も一生懸命喰らい付いていくけど、どうしてもうまく熟せない。


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スケさんは安定してほとんどのトライで上部の水平クラックに迫る勢い。
僕とsuepeeはその手前で苦戦を強いられてしまう。
気持ちばかりが焦る。


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そうこうしていると、スケさんがついに水平クラックを捕らえはじめ、
一段と場の緊張感が高まる。

水平クラックを止めてもそこからフットが悪く、足が切れてしまう。
そこにも核心が潜んでいたとは!

スケさんのトライをみていると、同じフット位置からだと僕の身長では水平クラックに手が届きそうにない。
頭のなかでシミュレーションしながらムーブを探る。
僕より身長の高い他の二人と同じことしても駄目だと判明し、より焦りが増して無駄なトライを重ねてしまう。


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僕が停滞していると、suepeeがなんと水平クラックに到達!
と同時に両足が切れてしまうが、足ブラでなんとか持ち堪えて必死にフットを捉えようと何度も試みる。
無情にもカリカリと音だけが響き、フットを捉えられない。
そして力尽きフォール。

あれでフットを捉えていたら登れてたな絶対。
ホントに惜しい。


トライ開始から4時間ほど経過し、誰もがだんだんと体幹がヨレてきて高度が下がり始める。
僕に至っては全力で気張り過ぎて腰痛を発症。全身が痛い。

初登間近だったsuepeeもついには諦めて一足先に撤退。
僕とスケさんは残ってトライ続行。


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フット位置が深く、左足のスタンスの捉え方がいまいちな上に、
左上のホールドも深くギリギリ届く距離。
少しリーチーなセクション。

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二人に追いつきたくて無闇にトライを重ねてしまう僕。

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パツパツの左上のホールドを保持るこの表情。もうこれ苦悶の表情です。
 
ギリギリ届くこのホールドを保持り全力で身体引き上げて右足を高く上げなければならず、
おまけにそのままだと2人のように水平クラックには届かない。
左足をもうひとつ上げなければ・・・

正直、キツイ。以前のムーブに戻すべきなのか・・・悩む。



嗚呼、どうにもならないのか。いまの僕にはどうしようにもないのか。
焦りが悔しさに変わる。悔しい。


終いには中間部すら熟せなくなり敗退。
終わってしまった。



もし、今月中にトライできるチャンスがあるならば2人は登ってしまうだろう。
僕の完登はいまのところ可能性が低い。
明らかに足らないものが多すぎる。本当に凹む。


荷物片付けながら、アプローチを戻りながらそのことばかり考えてしまう。
悔しい。マジで。

こんなに悔しい気持ちはいつぶりだろう・・・




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まだこんなにも明るいのに、指先はおろか全身が悲鳴を上げて敗退。
まだこんなに明るくて気温も低くベスココンディションなのに。


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こんな気持ちのままシーズンが終わってしまうのか?
今回が2019シーズンの最終回にしようと思っていたけど、もう少し粘るべきなのではないのか。


その為にシューズを新調してやろうか。
せめてもう一日だけでもトライさせてもらえないのか。


その時は身体がぶっ壊れるくらい本気で挑みたい。



もう一日だけでも。